前職が社会保険労務士のため、こういった情報はつい敏感になってしまいます。
現在、大阪府の最低賃金は、883円です。
平成28年10月1日より適用されています。
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大阪府 最低賃金のお知らせ 平成28年10月1日適用
大阪府の最低賃金は全国3位
実は大阪府…全国で3番目に最低賃金が高い都道府県です。
1位は東京 932円
2位は神奈川 930円
そして3位が大阪 883円です。
最低賃金は労働者だけでなく使用者も要チェック
既に働いている方、もしくはこれから仕事を探す方は、最低賃金額を覚えておいたほうが良いです。
また、労働者だけでなく、使用者も最低賃金は毎年更新されるので、必ずチェックが必要です。
企業によっては、最低賃金の変更に気付いていないところもあります。
私が社労士の仕事をしているときは、最低賃金の改正をよく顧問先の事業主にお伝えしていました。
最低賃金が改正される度に、最低賃金未満になってしまう労働者が数名出てくるため、労働基準法違反にならないように賃金の引き上げをお願いしていました。
企業経営をしていると最低賃金は気付きにくいポイントだと感じています。
当然、労働局も厳しくチェックしています。
年に一度、労働保険の更新があるので、そこで最低賃金額未満の労働者がいれば、目をつけられることもあります。
また、近年労働局からの調査がランダムで入るので、そこで違反していることが分かります。
違反が分かれば、罰則が適用されます。
ですので、労働者だけでなく、企業(使用者)も最低賃金には注意しなければなりません。
ただ、大阪府には企業がかなり多いです。
労働局が一つ一つの企業をチェックするには膨大な時間が必要となります。
その前に、現在の最低賃金がいくらかを認識しておけば、働く上でも安心です。
事業場単位で適用
最低賃金は、大阪府内の事業場で働くすべての労働者に適用されます。
労働者の居住地で決まるのではなく、勤務先の場所がどの都道府県にあるのかで最低賃金が変わってきます。
つまり、住まいが大阪府で、勤務先の会社が奈良県にある場合、奈良県の最低賃金が適用されることになります。
「私は大阪に住んでるから大阪府の最低賃金が適用される」という訳ではないのでご注意を…
最低賃金の計算
最低賃金は、1時間に、最低いくら支払うのかという基準になります。
つまり「時給」ですね。
なので、月給で給与を支払われている方には関係が無いと思う方もいてるようですが、それは間違いです。
しつこいようですが、最低賃金は、大阪府内の事業場で働くすべての労働者に適用されます。
■時給制の場合
この場合は分かりやすいです。
時給額が最低賃金以上であれば大丈夫です。
時給額 ≧ 最低賃金
■日給制の場合
日給の額を、働いた時間で割ります。
例えば日給が8,000円で8時間働いた場合、時給額は1,000円となります。
その額が最低賃金額以上であれば大丈夫です。
日給額 ÷ 1日の労働時間 ≧ 最低賃金
■月給制の場合
月給の場合が少しややこしいです。
基本的な計算式は次の通りです。
月給額 ÷ 年平均の1ヶ月所定労働時間 ≧ 最低賃金
この「年平均の1ヶ月所定労働時間」が分かりにくいと思います。
例を使って解説します。
1年で300日働き、1日の所定労働時間が8時間、月給が200,000円の場合
1年間の労働時間は300(日)×8(時間)=2,400時間となります。
それを1ヶ月単位にすると、2,400(時間)÷ 12(ヶ月)=200時間となります。
この「200時間」が、年平均の1ヶ月所定労働時間となります。
あとは計算式通りに、
月給額200,000円 ÷ 200時間=1,000円 と計算します。
この1,000円が、月給制の方の時給額となりますので、最低賃金以上の額であれば大丈夫です。
最低賃金として計算されない賃金
中には最低賃金の額として含まれない賃金もあります。
例えば…
皆勤手当・通勤手当・家族手当
一か月を超える期間ごとに支払われる賃金(ボーナスなど)
臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
時間外・深夜労働及び休日労働に対する賃金
などです。
これを計算に入れてしまうと、実は最低賃金なのに気付かない場合があります。
計算する際は、含めないように注意しましょう。
罰則
最低賃金以上の支給をしなかった場合、罰則があります。
当然、労働者では無く、賃金を支払う使用者側に罰則が適用されます。
条文は以下の通りです。
地域別最低賃金額以上の賃金を支払わなかった使用者は、50万円以下の罰金に処せられることがあります(最低賃金法第40条)
大阪府 最低賃金の推移
最低賃金は毎年10月頃に更新されます。
実は、大阪の最低賃金の額は年々上がってきています。
平成25年 819円
平成26年 838円
平成27年 858円
平成28年 883円
ここ最近の話ではなく、「最低賃金」というものができたときから上がり続けています。
以下のグラフは平成元年からの、最低賃金の推移です。
大阪の最低賃金の推移
恐らく、今後も上がり続けるでしょう。
以上、大阪府最低賃金のお知らせでした。
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